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中町通り(柳屋奉善)
柳屋奉善は創業から400年以上続く老舗菓子店で「老伴」は江戸時代から続く松阪土産の定番です。
大正5年に同店舗で小津家が饅頭を買った際の領収書も残っています。大正7年4月5日の日記には「…柳屋に老伴三箱注文して兄と別れて公園に行く…」とあります。また、大正10年1月7日の日記には、「…昼から家の用で山作に行った。」とありますが、「山作」も同じ中町通りにある餅屋です。
当時の安二郎の日記には中町通りの甘物屋の記述が多く、柳屋の「老伴」もお気に入りのひとつだったかも知れません。柳屋の左隣は明治11年(1878年)創業のすき焼きで有名な「松阪肉元祖『和田金』」です。昭和29年の旅日記には、脚本家野田高梧らと松阪に肉だけを食べに途中下車したことが記載されています。
「車中麦酒二本とるも和田金にそなへ半分のみのこせり。三人にて二本の麦酒を余すとは蓋し稀有の事也。」「和田金まことに大牢(たいろう)*りっぱな料理。ごちそうのこと。」「満腹 車にて駅に行く」「駅につき和田金の肉のお土産を忘れしことに気づく 急ぎ 和田金に至る」
晩年の日記や旧友に宛てた手紙には松阪肉の話題も多く、松阪に立ち寄った時はこの中町通りを訪れていたことがうかがえます。
住所 |
松阪市中町 |
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