コロナ禍で「テレワーク」「リモートワーク」という言葉がより身近になった。
「離れていても仕事ができる」ことにみんなが気づきはじめた。
もはや、「都会暮らしに疲れた」「田舎暮らしに憧れる」という理由がなくても、気軽に田舎に移住できる時代になってきている。そんな「気軽さ」を持ち合わせたサテライトオフィスが、松阪市の飯高町にオープンした。
サテライトオフィス外観(松阪市飯高町)
サテライトオフィスの詳しい内容は下記の記事をチェック。
田舎暮らしと温泉が楽しめる、ココロやすらぐ、サテライトオフィス
ノイズから離れて、緑溢れる町で、働く。そんな新しい働き方をしたい人々が集まる、飯南・飯高地域の魅力について、知っていただきたい。
まずは、サテライトオフィスから、歩いて行ける範囲にある3つの「緑」。
常盤色拡がる、珍布峠
珍布峠(めずらしとうげ)
天照大神と天児屋根命が出会ったとされる国分け伝説の史跡、珍布峠。
高さ10mの素堀りの切り通りは圧巻で、どこまでも広がる常盤色(ときわいろ)を身体全体で感じられる。「常盤」には「常に変わらない」という意味がある。神が生まれたその時から変わらない緑を見れば、仕事の悩みの捉え方も前向きに変わってくる。
新日本歩く道紀行100選「歴史の道」に認定されているこの峠をぜひ歩いて、様々な「緑」を発見してほしい。
何かが見つかりそうな小道。
珍布峠と同じく、天照大神の伝説を受け継ぐのが「礫石」だ。
珍布峠と同じく、天照大神の伝説を受け継ぐのが「礫石」だ。
天照大神が国境を決めるために投げ込んだと言われる大岩。投げた小石が当たれば男の子、外れると女の子が授かるとの言い伝えがある。
仕事で悩んだときに、当たればA案、外れればB案なんていうのも時にはアリなのかもしれない。
萌黄色輝く、水屋神社
春日大社の行在所として祀られた由緒ある神社・水屋神社は、春先に萌え出る若葉のような冴えた黄緑色の木々に包まれている。
ここには、樹齢千年以上の大楠があり、パワースポットとして多くの人に力を与えてきた。仕事でミスをした、同僚に少し言いすぎてしまった、、そんなモヤモヤを抱えてしまった時、この場所に来たくなる。
水屋の大楠
そっと触れて、邪気を払う。
新緑の若木の色ということから、若さを象徴する色である「萌黄色」。
初心を思い出して、また一からやり直せるような、前向きな気持ちになれる。
水面に映る蒼色に魅せられて、香肌峡
松阪の奥座敷 香肌峡。古くは和歌山街道、参宮や巡礼の道として栄えたと言われている。
全国屈指の神秘的な景観を有する山々や渓谷の秘境巡りが魅力的なこの場所を、仕事の合間に独り占め。
誰にも教えたくない程のこの景色は、水面が「蒼色(そうしょく)」そのもの。
蒼色とは、干した青草のような少し暗い青緑色。現在は「蒼空」など、「青」の意味合いに使われることも多い「蒼」だが、草木が覆い茂るという意味があり、生い茂る木々や緑深い山を形容する場合に使われていたようだ。
空の「蒼」と木々の「蒼」が映りこんだこの水面はまさに「蒼色」。
仕事のことを少し忘れて、蒼色を見ながら水の音を聞いて過ごす。贅沢な時間。
車があるなら、ぜひ、訪れてほしい緑。
日本ならではの芸術、若苗色の深野のだんだん田
日本の棚田100選に選ばれている、白猪山南麓に開けた深野地区特有の棚田。
幾重にもつながる石段の織り成す風景は、まさに石の芸術であり、見応えがある。
木々の緑と棚田の緑のコントラストが美しさを際立てる。
前面に広がる緑は、若苗色。
田植えの時期の若い苗のような新鮮な黄緑色がどこまでも続く。
遠くから見たり、近くから見たり。稲刈りの時期には黄金に染まる。自然と人の関わりを感じることができる魅力的な場所。
もちろん、お米も美味しい。これだけの環境が整い、丁寧に作られたお米の味を知り、この町にハマる人もいる。
以上、サテライトオフィスを利用する人、仕事に疲れた人、自然を感じたい人にオススメしたい、松阪市飯南・飯高地域の緑4選をご紹介した。
色彩の捉え方は、人それぞれ。季節、温度、その時の気持ち、様々な条件で見える色が変わってくる。景色も変わるし、自分も変わる。飯南・飯高地域に何度も訪れる人が多いのは、そんな小さな変化を楽しむ繊細な人が多い。
私が感じた5つの緑を紹介したが、あなたなりの「緑」を見つけに、松阪市飯南・飯高地域にぜひ来ていただきたい。
飯南・飯高地域の観光情報サイト 香肌峡 https://kahadakyo.com/
松阪の自然情報はこちらもチェック 松阪市観光プロモーションサイト https://www.city.matsusaka.mie.jp/site/kanko/list409-1224.html
写真提供
Tatsuki Ito(@ta2funk)
参考サイト
伝統色のいろは https://irocore.com/