新着情報
小津安二郎松阪記念館企画展 「小津安二郎と蓼科 -シナリオが生まれた場所」開催
2024.11.28
「小津安二郎と蓼科 -シナリオが生まれた場所」
小津安二郎の映画の魅力は、サイレント映画の時代から徹底した構図や演出とともに、考え抜いたシナリオにあります。のちに自ら“失敗”とも語った意欲作『風の中の牝雞』(1948)の公開後、小津は監督デビュー作で共作した脚本家・野田高梧に意見を求めました。野田の指摘を受けた小津は、翌年の『晩春』以降、遺作『秋刀魚の味』(1962)まで野田と再びタッグを組んでシナリオを書き、『晩春』『麦秋』『東京物語』といった映画史に残る傑作が誕生します。『東京物語』公開の翌年、昭和29年(1954)に小津は長野県茅野市の蓼科高原にある野田の別荘・雲呼荘を訪れると、土地柄を気に入り自らも別荘を借り受けました。雲呼荘にあった日記帳「蓼科日記」は、野田自身が滞在中に記しただけではなく、客人も必ず日記をつづり、小津の記述には都会の喧騒を離れた愉しい日々のなかで、ふと青春時代を過ごした松阪に心がかえる瞬間も見受けられます。本展覧会では「蓼科日記」の記述を追いながら、蓼科での小津安二郎と野田高梧の姿を見ていきます。
※年末年始の開館状況等については松阪市立歴史民俗資料館ホームページ(リンク)を参照ください。